【総集編】主題歌& 第1話〜14話(ダイジェスト)
本編の物語の世界観を表現した自作の主題歌、およびこれまでの歩みを振り返るダイジェストページです。
🎧 【主題歌】夢のひとつ
【1-4話ダイジェスト】『水槽の破壊と光の介入』
■停滞する「深海魚」
高校2年生の神木蒼太は、世界を「ガラス一枚隔てた向こう側の景色」として冷ややかに観察する少年。教室という水槽の底で、目立たぬよう「深海魚」として生きていた。
彼が唯一世界と繋がる手段は、自身のサイト『リクのスケッチブック』の執筆。
だが、たった一人の読者「Lib」は、変化のないその物語を「美しい牢獄」と評していた。
■化学室の「トンネル」
転機は訪れる。
化学の授業で立ち往生した蒼太に、クラスの輝ける中心人物・高槻ひかりがヒントを与える。
ノートの隅に書かれた『トンネル』の文字。
それは「活性化エネルギーの山の下にトンネルを掘る(触媒)」という正解を導き出す鍵となり、同時に蒼太と世界を隔てるガラスに最初の「ひび」を入れた。
その夜、蒼太は物語の主人公・リクに「他者との出会い」を与え、停滞していた物語を動かし始める。
■図書室への侵入者
蒼太の聖域である図書室に、ひかりが現れる。
彼女は、文化祭の図書展示企画のパートナーとして、柳先生の推薦から蒼太を誘う。
「神木君と文化祭の企画を一緒にやりたい」
あまりに眩しい光への畏れ。
太陽に近づけばイカロスの翼のように焼かれる。
恐怖した蒼太は、委員への立候補用紙に名前を書けぬまま提出期限を過ぎる。
■ガラスの崩壊
翌日の放課後。
安堵と絶望が入り混じる蒼太の前に、ひかりは再び立つ。
「知ってる。本当は名前、書こうとしてたんでしょ」
彼女は半ば強引に蒼太の名を記入済みの用紙を突きつけ、悪戯っぽく、しかし真剣に手を差し伸べた。
「わたしの仲間になってくれない?」
蒼太がその手を取った瞬間、彼を閉じ込めていた安全なガラスの世界は、音を立てて砕け散った。
【5-9話ダイジェスト】『光の糸と倍の孤独』
■光の糸と脱出
蒼太の物語の主人公リクの部屋の虹のかけらから、外の世界へ繋がる「虹色の光の糸」が伸びる。
リクは恐怖に一度はカーテンを閉ざすが、最終的にその引力に屈し、部屋から踏み出すことを選ぶ。
唯一の読者Libは、この受動的な一歩を評価しつつも警告する。
「光の糸は導きか、それとも嵐へ引きずり出す美しい罠か」と。
■委員会の敗北と共犯関係
文化祭の図書展示企画会議。
「物語の世界を作る」というひかりの熱意は、過去のデータと効率を重視する他委員によって一蹴される。
蒼太は彼女を守るために手を挙げようとするが、恐怖で身体が動かず、企画は多数決で否決された。
しかし、顧問の柳先生は二人だけが残った部屋で「非公式のゲリラ展示」を示唆する。
ひかりの「たった一人のために場所を作りたい」という願いに共鳴した蒼太は、彼女と共に反乱を起こすことを決意する。
■地図とコンパスの不一致
ふたりの最初の作戦会議。
ひかりは万人に伝わる「英雄の旅」を提案するが、蒼太は「旅に出ない主人公もいる」と反発してしまう。
「多数に向けた地図」を持つひかりと、「個人的なコンパス」しか持たない蒼太。
Libはこの状況を「最強の二人ではなく、別々に世界を見る『倍の孤独』」と鋭く指摘する。
企画は早々に暗礁に乗り上げた。
■森の足跡とニジイロクワガタ
停滞する二人に柳先生は「理屈を捨てて、森の足跡を探せ」と助言する。
互いの心が震える本を10冊選び、交換する日々。
『星の王子さま』と『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
異なる感性を触れ合わせる中で、蒼太は封印していた幼少期のトラウマを語る。
数学者の父に「ニジイロクワガタ」と「夕焼け」の色彩的類似を否定され、感性を「無意味」と断じられた記憶。
ひかりは、論理で切り捨てられた蒼太の「虹色」を、静かに、優しく肯定した。
【10-14話ダイジェスト】『たった一人のための魂の対話』
■共通の宝物と「第三の道」
展示する本を探す「足跡探し」の最中、二人はエンデの『はてしない物語』に同時に手を伸ばす。
ひかりはこの本に挟まれていた見知らぬ誰かからの手紙と、それに出した返事の思い出を語る。
「本を介して、孤独な誰かと繋がることができる」
二人は、大多数でも個人的な感傷でもない、「たった一人の読者のための物語」を展示の核に据えるアイデアを見つけ出す。
過去の貸出カードから、10年前に『デミアン』を貪り読んだ「名もなき誰か」の足跡を照らす企画へと昇華させた。
■ガラスの部屋の設計図
蒼太は自身の孤独の象徴である「ガラスの部屋」を展示空間として設計する。
アクリルパネルで囲まれたその閉鎖空間は、外から覗き込む「水槽」のようでありながら、蒼太はそこにひかりを受け入れるための「小さな扉」を描き加えた。
柳先生はこの「反乱」を顧問として黙認。
予算ゼロ、責任は自分たちという条件のもと、二人だけの夏が始まった。
■魂のプリントアウト
ひかりから「神木君の物語を読みたい」と言われ、蒼太は激しく葛藤する。
自身のサイトの物語『リクのスケッチブック』のURLを教えれば、Libとの聖域や、ヒロインに「ヒカリ」の名を使っている秘密が露呈してしまう、また、以前、文芸コンテストの手続きのために、柳先生にURLを知られてしまい、創作の精神的な自由が奪われてしまった苦い記憶も蘇る。
蒼太は、ヒロインの名を「ルカ(光をもたらすもの)」に偽装し、抜粋した20話あまりを黒いファイルに綴じ手渡すという「秘密の共有」を選んだ。
それは、自分の内側を覗かれる恐怖と、理解されたいという切実な願いの妥協点だった。
■光をもたらすもの
夏休み初日を明日に控えた図書室。
ファイルを読み終えたひかりは「泣いてしまった」と告げる。
彼女は蒼太が施した「ルカ」という偽装の奥にある、「彼女にリクの光であってほしい」という祈りを完璧に読み解いていた。
批評家Libとは異なる、圧倒的な肯定と共感。
「この物語の続きを読ませてほしい」という彼女の願いに応え、蒼太は「たった一人の読者」のために物語を書くことの意味を知る。
続く第15話(魂に形式を与える)にリンク
<物語の核となるテーマにふれるエピソード>

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