【小説】あの夏の光『挿入歌(その2) & 第27話〜第35話(ダイジェスト3)』

小説

【総集編】挿入歌(その2)& 第27話〜33話(ダイジェスト)
自作の挿入歌、およびこれまでの歩みを振り返るダイジェストページです。

🎧 【挿入歌】愛の光

【27-30話ダイジェスト】
『沈黙の絶叫と合理の波』
■ 見捨てられたチェロと完璧すぎる花束
蒼太は、リクとヒカリがダルボと出会い、アルド市長の捨てられたチェロを修理して彼を救い出そうとする物語を書き上げる。
それを読んだひかりは、物語が「正解」に向かって完璧すぎると指摘し、飾る余裕のない花束のように、美しさが重荷になることもあると語る。
蒼太は物語に泥臭さを足せばいいと表層的に解釈し、自身の「正しさ」を押し付けているという彼女の警告に気づかないまま執筆を進めようとする。

■ カフェでの告白とデミアンの肯定
展示のための材料を求めて立ち寄ったホームセンターで、蒼太は資金不足と「廃材のみ」のルールを理由にスポットライトの購入を諦める。
その後訪れたカフェで柳先生と遭遇し、先生は「形式の亡霊になるな」という忠告と共に二万円のカンパを二人に残して去る。
蒼太はそこで、母の過保護な庇護下にあった自身の過去を告白し、ひかりが『デミアン』の言葉で彼の孤独を肯定したことで、彼女への絶対的な信頼を抱くようになる。

■ 目的のための手段とすれ違う心
柳先生の資金でライトを買おうというひかりの合理的な提案に対し、ひかりへの愛の証明として、蒼太は自身の美学を曲げることに抵抗を覚えつつも渋々同意する。
しかし、宣伝ポスターを作ろうという彼女のさらなる提案は、自分の聖域が荒らされると抵抗を感じ、素直に同意できなかった。ひかりが寂しげに提案を取り下げたことで蒼太は自身の世界が守られたと安堵するが、彼女が蒼太のこだわる形式のために我慢していることには目を背けていた。

【31-35話ダイジェスト】
『星祭りの共鳴と砕け散った羅針盤』
■ 星祭りの奇跡と残酷な影の提案
カフェでの出来事から数日後、蒼太はアルドが過去のトラウマを乗り越えてチェロを弾き、映写機が真の完成を迎える『星祭りの共鳴』を書き上げる。
ひかりは完璧な大団円に感動しつつも、現実ではリクの「光」とルカ(ヒカリ)の「ノイズ」が修復不可能に衝突する「影」の展開があるはずだと提案する。
蒼太はその絶望的な展開が芸術に押し上げると興奮し、共犯関係の深まりを感じながら新たな執筆に取り掛かる。

■ 愛の支配と砕け散った羅針盤
物語の中で、膨大なガラクタの悲鳴に耐えきれなくなったるヒカリは、映写機を使って街中を一気に救済しようと訴える。
しかしリクは目の前の一つの物語を完璧に描くことに執着し、彼女の限界をノイズとして無意識に排除してしまう。
リクの愛が自分を完璧な部屋に閉じ込めるための支配でしかないと悟ったヒカリは、二人の誓いでもあった羅針盤を砕き割り、彼を残して決別する。

■ 綺麗な絶望と気づかない涙
決別の章を読んだひかりは、ルカ(ヒカリ)の絶望の言葉が劇的で綺麗すぎると指摘し、本当の悲鳴は言葉にならないほど静かで冷たいものだと、遠慮がちにこぼす。
蒼太は胸のざわめきを覚えながらも、物語の完成度につながると、彼女の意見に耳を傾けるが表層的な理解にとどまる。
そして、アトリエに響く『亡き王女のためのパヴァーヌ』を聴きながら声もなく涙を流すひかりに対し、蒼太は彼女を自分とは違う高潔な存在だと勝手に神格化し、その痛みに踏み込むことから逃げて、立ち尽くす。

次話(36話 完璧な形式と地下室のネズミのような指)へリンクする
<運動部の秋の壮行会、そこで大和を目の当たりにした蒼太。焦燥感がある決心へと導く>

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